みなさん、こんにちは
スタイリストの大山 旬です。
ビジネスシャツにおいて重要になるのは「サイズ感」です。首周りのフィット感、脇のフィット感、正しい袖丈など、あらゆる身体の特徴をしっかりとフィットさせることがとても重要です。なぜならスーツスタイルには遊べる要素が非常に少ないからです。
つまりこのような細部のこだわりと積み重ねて、人との差を作ることが重要になります。
ビジネス用のシャツの選択肢といえば、①白 ②淡いブルー ③ストライプ 基本的にはこの3つくらいしかありません。プラスアルファで今回僕が作ったような「クレリックシャツ」があればそれだけで十分です。衿型はセミワイドかワイドカラーのどちらかを選べば間違いありません。他に選択肢はない、と思ってもらっても結構です。
ただ、サイズ感というのは実は自分にぴったりのものを探すのは難しいです。通常体型の人であれば、鎌倉シャツやセレクトショップのオリジナルでOKですが、僕のように身長が低かったり、逆に痩せ型で背が高かったり、ぽっちゃり体型の方だとなかなか既成品の中から選ぶのは難しいです。
僕の場合、ユナイテッドアローズで首周り36を選んで、袖丈を直せば「まあまあのサイズ感」を得ることができます。それでも身幅が大きかったり、裾が長すぎたりと、ベストなシャツとは言えません。それだったら正直作ってしまった方がよっぽどラクです。
オーダーといっても、フルオーダーではなく、いわゆるパターンオーダーのショップにはたくさんの選択肢があります。
ちなみにパターンオーダーというのは、お店の方でたくさんのサンプルシャツを用意していて、その中でもっとも体型に近いものを試着します。そこから袖の長さや身幅など、身体に合わせた調整をして、ベストな1枚を作っていくようなイメージです。完璧ではないものの、既成のシャツよりは大分サイズ感としては完成度が高くなります。
この手のパターンオーダーの定番といえば、僕の中では麻布テーラーが挙げられます。確かに全国各地に展開していますし、時代に合ったパターンオーダーが可能なので、今でも最有力の1つでもあります。
ただ、最近では新しいスタイルのパターンオーダーも出てきています。中でも勢いがあるのが「ディファレンス」です。これは紳士服のコナカの系列店であり、母体は割としっかりとしています。
店構えも佐藤可士和さんがプロデュースしているだけあって、割と現代的でおしゃれ。そんなに厚みはないのですが、十分だと思います。
このお店の一番の特徴は、最初だけお店で身体の計測をして、2回目移行はスマホでも注文が可能というところにあります。この辺りは非常に今っぽい仕組みと言えます。オーダーって、わざわざ店舗に行って採寸というのがめんどくさいんですよね。麻布テーラーも混んでいると結構待たされたりしますし。引き取りに行くのもめんどくさいんです。
今回、銀座のディファレンスに潜伏してみました。僕が何者か分かると、きっとお店側の対応も変わると思うので、あえて本名でお申し込みをしました。※ちなみに大山 旬は僕の本名ではありません(!) ビジネスネームみたいなものです。
実際にお店に入ると、とにかく狭い。麻布テーラーの半分以下です。そしてお客さんは僕一人。事前に来店予約も取りますので、店内は一人だけの状態でゆったりと見れる仕組みになっています。
割と若い女性が接客してくれました。これはこれで男心としては嬉しいですが、ファッション業界にいる身としましては、「この人で果たして大丈夫だろうか」という一抹の不安がよぎるわけですが・・・ あとはもうなすがままです 笑
採寸をしてもらい、生地を選びます。生地は選択肢がそこまで多くはないのですが、それで全然OKです。多すぎても選ぶのが大変ですからね。国内の生地、イタリアの生地の中から選べます。前者だと1万円未満で仕立てられます。僕は後者を選んだので総額1.7万円ほどでした。
生地の質ですが、相当なファッション好きであればこだわった方がいいものの、一般の方でしたらそこまでこだわり過ぎる必要はありません。それよりもまずは量を揃えることにフォーカスしてください。1.7万円のシャツ1枚よりも8000円のシャツを2枚作った方がいいですね。
ある程度、量があって、質にこだわりたい人は僕と同じようにちょっと高めの生地を選ぶのもいいですね。ちなみに実際の生地はものすごく上質でした。
大体、来店から退店まで、1時間弱くらいでしょうか。これは初回だから仕方ありません。割と感じの良い接客で気持ちよく退店しました。
シャツは注文してから出来上がりまで、「2週間」掛かります。これは早いです。麻布テーラーだと1ヶ月以上掛かりますので、結構待たされている感じが強いです。特にシャツだったらもっと早くできないものかな〜と思ったりもしていましたので、これは嬉しいですね。
実際のシャツがこちらです。襟はワイドを選択しました。セミワイドというのはなく、その代わりワイドでもそこまで広めの角度ではないので、ネクタイの収まりもいいです。襟周りのデザインは気に入っています。個人的に気になる箇所は特にありませんでした。
こんな感じで、首周りには選んだ生地のブランドネームとディファレンスのタグが縫われています。これもいたってふつうで、特に問題はありません。
オーダーすると、この身幅のフィット感が違いますね。身体に沿うようにジャストサイズで仕上がりました。シャツ1枚になることはそんなにないので、このフィット感にそこまでこだわる必要はないのですが、「ムダがない」というのは心地が良いものです。非常に満足しています。
続きを読むにはログインしてください