みなさん、こんにちは!
スタイリストの大山 旬です。
「服を買う時、どの価格帯から選べばいいのですか?」このようなご質問を時々いただきます。
確かに、MFSでも様々な価格帯のアイテムをお薦めしていますよね。たとえばシャツ1枚にしても、3,000円前後のユニクロのシャツもあれば、10,000円前後のセレクトショップ、または海外のシャツ専門ブランド(バルバやフィナモレ)などは3万円前後の価格帯です。じゃ、この中からどれを選べばいいのかと。きっと疑問に思うかもしれませんね。
そこで基準にして頂きたいのは、「今、どれくらいの価格のシャツを着ていますか?」という点です。この価格帯を目安として、今と同じくらいの価格帯〜1.5倍くらいの価格帯の中でアイテムを買い揃えることをお薦めします。
無理して一気に高いシャツを買ったとしても、その値段の価値にまだ気づくことができないはずです。一方で今着ているものよりも安いものにしてしまうと、それまた質の悪さにきっと気づいてしまうでしょう。
いつもマルイや百貨店で服を買っていた人は、ユナイテッドアローズやエディフィスなどのセレクトショップで買うようにする。こんな感じで良いと思います。どちらもそこまで価格帯は違いませんが、置いてある服のテイストは大きく違いますので。
「全身ユニクロ」はNGです
いつもユニクロで服を買っている方は、僕が推奨しているユニクロの服を買ってみる。これだけでも見え方は大きく変わると思います。ユニクロの服は8〜9割がイマイチですので、残りの1割の商品を正しく買うだけでも大きな変化となります。上の写真はほぼユニクロです。まあまあの着こなしには見えます。ただし1つだけ注意が必要です。
「全身ユニクロ」はNGです。ユニクロ9割で超速おしゃれ、という本を書いている僕が言うのもなんですが、それだとどうしても「70点以上」には見えないのです。ファッションはマイナス点を取らなければそれだけでも十分なのですが、MFSの会員のみなさまには80点以上を目指して頂きたいと思っています。
そうなるとユニクロ9割ではちょっと難しいんですね。ところどころに「ちょっとだけ良いもの」を取り入れることをお薦めします。たとえば白スニーカーも、ザラで3000円くらいで購入することができますが、アディダスのスタン・スミスにしてみるとか。トートバッグもレザー風に見えるものだったら近所のイオンとかで3000円くらいで買えますが、ユナイテッドアローズグリーンレーベルで1.5万円のものを買ってみるとか。
このように部分的に「ちょっとだけ良いもの」を加えてみるだけでも、大分見え方は変わりますし、気分も変わります。全身ユニクロよりも自信を持って過ごせるはずです。
この「気持ちの問題」は結構大きいです。僕も昨年は部屋着は全身ユニクロで過ごすことも多かったのですが、なんか気持ちが上がらないんですよね。だから姿勢も悪くなるし、だらしなく過ごしてしまうんですね。そこでユニクロの割合を思い切って減らしてみました。そうすると気分はとてもよくなりましたし、ちょっとだけアクティブになりました。本当に人はファッションで気持ちが左右されるものなのですね。
「差」が分かるようになるためのコツとは?
「ちょっとだけ良いもの」は、ユナイテッドアローズグリーンレーベル、ジャーナルスタンダード、417エディフィス、チャオパニックなど、低価格帯のセレクトショップで購入すると良いでしょう。ユナイテッドアローズやエディフィスに比べても、少しだけ買いやすい価格帯になっています。
そして大切なのは、少しずつ階段を登るように、アイテムの価格を上げていくことです。たとえば、ずっとユニクロのシャツを着ていた人が、いきなり3万円のイタリア物のシャツを着ても、「価格分の差」があんまり分からないはずです。まだセンスが培われていないので、「細かな違い」があまり見えないのです。
そういう場合こそ、少しずつ価格帯を上げるのが有効です。いきなり価格帯を上げすぎずに、少しずつ「差」を肌で感じることが大切です。ここは時間を掛けていいところです。最初はあんまり分からなくても、着ているうちにその差に気づくようになることが多いです。
正直、エディフィスのオリジナルのシャツ(1.3万円)と、フィナモレの3万円のシャツ、その違いはパッと見だとほとんどありません。だから着ていても気づかない人が大半だと思います。でも僕には明らかに違うように感じられるのです。生地の質感や色味、着心地、襟の形、デザインなど・・・ この違いは、それなりにセンスを培っていかないと分かりません。
でも安心してください。こういう感性は確実に培われていくものです。ファッションに1ミリも興味がなかった僕のお客さんも、その違いに少しずつ気づくようになるのを、僕は毎週のように見ていますので断言できます。
この「小さな差」を理解できるようになった時に、センスが1つ上がったのだと思ってください。「微差こそ大差」という言葉がありますが、その違いが分かるようになるとファッションはもっと楽しくなるはずです!
まとめ
いかがでしたでしょうか? 今回は少し抽象的な記事になりましたが、かなり重要な内容ですので、しっかりと理解していただけたらと思っています。
たくさんの服は要りませんので、その変わり本当に満足できる服をみなさんには所有して頂きたいと思っています。そのためには、やっぱり少しずつ質を高めることは大切です。でもいきなり質ばかりにフォーカスしてしまうと、いくら予算があっても足りません。
ですので、少しずつ、買い替えのタイミングで価格帯を1.5倍くらいに上げてみる。これが僕が考えるベストな服選びの方法です。ぜひ参考にしてみてください!
続きを読むにはログインしてください