色彩の基本知識


続いて色彩についての基本知識をお伝えします。世の中には様々な色の服がありますが、基本的な色彩の知識さえ身に付けておけば、色選びに迷うことがなくなります。

「自分に似合う色」よりも「誰にでも似合いやすい色」から揃える
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色彩においては様々な考え方があります。ここ数年では「カラー診断」というものが流行っています。「あなたの肌には◯色が似合います」など、個人に適した色合いをアドバイスしてくれるサービスです。メンズファッションスクールでは、このようなカラー診断的なアプローチは一切行いません。

まずは、自分の肌に似合う色というような、細部に着目するのではなく、大人の男性であれば、誰でも似合いやすい基本となるような色使いを知ることが大切です。基本を押さえた上で、気になる方はパーソナルカラー診断を受けてみるのも良いかもしれません。

逆にカラー診断から入ってしまうと、色に縛られすぎてしまい、コーディネート全体がまとまりにくくなります。これでは本末転倒です。まずは基本からしっかり身につけていきましょう。

大人の男性に似合う色を理解する
大人の男性が積極的に選ぶべき色は決まっています。「紺」「グレー」「白」「淡いブルー」「黒」「焦げ茶」の5色です。これらの色は、どんな色彩とも相性が良いので、積極的に使うべき色と言えます。中でも特に重要な色は「紺」「グレー」「白」です。つい男性は黒ばかりを選んでしまいがちですが、実は黒は

紺=もっとも重要度の高い色
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大人の男性ファッションにおいてもっとも重要な色は「紺」です。黒に比べると、ほんのりやわらかみがあって、異性からの印象も良いです。たくさんの色の選択肢がある中でも、まず真っ先に選ぶべき色だと思っておいて下さい。特にジャケット・コート・ニットなどのアイテムは紺を選ぶのが鉄則です。

上の写真のように、紺のジャケットに白いシャツを合わせ、下にブルージーンズを合わせる着こなしは、まず失敗することはありません。

大切なのは、着こなしの中にどこか1点だけでも紺を取り入れることです。ジャケットでもいいですし、コートでもいいです。上半身が明るいの場合は、紺のコットンパンツを合わせるのも良いです。大人の男性は紺を中心にファッションを構成することで失敗を減らすことができます。

黒には注意が必要です
一方でもっとも身近である「黒」には注意が必要です。黒というのは、実は無難な色ではありません。大きな面積で使うと、とても無機質な印象になりますし、重たすぎてしまいます。黒の代わりに「紺」や「グレー」を使うことをお薦めします。
黒には歴史的に見ても、「冠婚葬祭」のイメージが根強くあります。意図があって使う分には構いませんが、「とりあえず黒でいいや」という理由で黒を選んではいけません。全身を黒っぽくするとオタクっぽく見えてしまうので注意してみてください。

アイテムごとに色彩を考える
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アイテム別に必要とされる色彩は、ほぼ決まっています。まずは基本に忠実に。下記を参考にして、アイテム選びをすることをおすすめします。

■ジャケット → 紺、グレー
■アウター → 紺、グレー

■ニット(セーター) → 紺、グレー、白
■シャツ → 白、ブルー、
■ボトムス → ブルー(デニム)、白(デニム)、黒(デニム)、ネイビー(コットンパンツ)

■靴 → 焦げ茶、黒
■バッグ → 焦げ茶、黒、ネイビー
■ベルト → 焦げ茶、黒

■Tシャツ → グレー、白、紺
■ポロシャツ → グレー、紺、黒 以上を参考としてください。各アイテムごとに上記の色選びを心がければ、大きな失敗を防ぐことができます。

全身を3色以内で構成する
色選びで注意すべき点は、全身で使う色の数を絞ることです。たくさんの色を使いすぎると、着こなしがまとまりにくくなります。全身で3〜4色くらいに抑えるのが良いでしょう。たとえば、紺・白・ブルー・黒、このような組み合わせであればOKです。

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上記はネイビー、黒、ブルーのみで構成されていますが、大人っぽくて素敵です。一方で、チェックのシャツなど、たくさんの色合いが入ったものは案外着こなしが難しいので注意が必要です。以下の写真が良い例です。

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このようにチェックシャツは単体で、様々な色が使われているので実は使いこなすのが難しいです。そしてこちらで履いているジーンズもケミカルウォッシュと呼ばれて、色がまだらになっているので、非常にごちゃごちゃした印象になります。色合いは3色以内でシンプルに。これが鉄則です。

パンツで色を引き締める方法
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色選びを考えるときに、上半身と下半身を2つに分けて考えることが大切です。上半身が明るい場合は、下半身を色を濃くするとバランスが整います。上の写真がまさに好例です。上半身にブルー系のシャツを着て、ボトムスは黒で締めています。これは誰にでも真似しやすいので試してみてください。

全身に1つだけでも差し色を入れてみる
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差し色というと、派手な色を想像しがちですが、白も立派な差し色です。ネイビーやグレーをベースとしてファッションを構成すると、その中に白を差し込むだけで、パッと明るい印象になります。上の写真のように、Tシャツやニットなどで、白を足してみてください。着こなしが爽やかにまとまるようになります。

小物は焦げ茶を取り入れる
靴やバッグ、ベルトなどの革小物といえば、やはり多くの人は無難な黒を選びがちです。もちろんNGではありませんが、それでは人との違いが出しにくいです。そこで積極的に使いたいのが「焦げ茶(ダークブラウン)」という色です。黒と同じような濃さがありながらも、ほんのりおしゃれな雰囲気が漂うようになります。

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メンズファッションスクールでおすすめする色彩というのは、ネイビーやグレーベースの色合いが多くなりますので、そこにダークブラウンの小物が加わることで、ほんのり明るさが出せます。もちろんダークブラウンはネイビー、グレーによく合うのはもちろんのこと、白やベージュにもよく合います。小物としては間違いのない配色です。

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一方で同じ茶系でも、明るめのブラウンは難易度が高いです。着こなしの中でブラウンだけが浮いてしまい、上手く調和しないからです。単体で見ると魅力的に感じるのですが、まずは徹底的にベーシックなものを選択します。

難易度高めのベージュとキャメルにチャレンジしてみる
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上の写真、とても素敵ですよね。コートを選ぶ際に、ベージュやキャメルといった明るめの選択肢もまた素敵です。しかし難易度が高いです。上半身に明るい色を持ってきたら、ボトムスで色を締める。の法則にしたがって、黒ジーンズを合わせているのが素晴らしいです。

大人の男性にはキャメルのコートがよく似合うので、実際に試着だけでもしてみてください。ネイビーやグレーなどの基本的な色彩が揃ったら、ぜひチャレンジしてみることをおすすめします。

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