スーツにおけるVゾーンの重要性

スーツスタイルにおいてもっとも重要な箇所を挙げるとするならば、まっさきに「Vゾーン」が思い浮かびます。 人の視線というのはどうしても顔周りに近い位置に集中します。そのため、スーツ・シャツ・ネクタイ、この3つの要素がすべて収まっているVゾーンこそ、もっとも視点を集めるため、重要度が高いと言えます。 スーツの選び方はとてもシンプルです。色はネイビーかグレーしか選択肢はなく、柄も無地かストライプのみです。あとはご自身の身体に合ったサイズを選べば、スーツスタイルにおける土台は整います。 シャツもまたしかり。そこまで選択肢は広くなく、白か淡いブルー、もしくは細かいストライプ、衿型はセミワイド型が王道です。正直、これだけ持っていれば事足りてしまいます。 スーツスタイルの中で唯一、遊びの要素が取り入れられるのは「ネクタイ」です。カラーバリエーションも豊富ですし、柄も多数存在します。割と自由度が高いネクタイを着こなしの中にどう配置するのか、これがスーツスタイルにおける「おしゃれのしどころ」なのです。 今回はスーツスタイルにおける最重要箇所である「Vゾーン」について、実例を見て頂きながら、みなさんにコツを掴んでいただければと思っています。
柄と無地のバランスについて
スーツスタイルを構成するものとして、「スーツ」「シャツ」「ネクタイ」という3つの要素があります。これをすべて柄物するとどうでしょうか。ごちゃごちゃして、派手な印象を与えてしまいます。スーツスタイルはあくまで「相手ありき」のものなので、やや華美になりすぎてしまいます。 一方ですべてを無地にすると、それまた華やかさがなく、地味過ぎるスーツスタイルになってしまいます。おしゃれさというのは、人との違いが明確だからこそ、はじめて感じ取れるものなので、すべて無地だと、やや印象としては弱いです。 そこで覚えておいてもらいたいのが「2:1の法則」です。これはとても簡単な理屈で、柄と無地のバランスを2:1に配分することを指しています。柄が2、無地が1でもいいですし、柄が1、無地が2でも構いません。すべて柄、すべて無地だけを避ければいいだけです。 たとえば上の画像を見てみると、チャコールグレーのストライプスーツに、淡いブルーの無地シャツ、そしてネイビー無地の織りの入ったネクタイをしています。柄が1、無地が2の着こなしです。 ストライプスーツはそれ単体でインパクトがありますので、他のアイテムはシンプルに無地を組み合わせています。誰でも取り入れやすいVゾーンと呼べます。 続いて、同じくチャコールグレーのストライプスーツに、淡いブルーのシャツ、ネクタイはレジメンタルストライプを選びました。先程と違うのはネクタイのみです。柄が2つになると、少しエッジの効いた着こなしになります。オシャレ感は少し強まります。 これはご自身の好みや、周囲の環境とのバランスを考えながら選べばいいのです。どちらが正解というわけではありません。結婚式などの華やかな場所でしたら、柄物が多くても構いませんが、大切な商談であれば、柄は1つに押さえるのが良いでしょう。 続いては僕がもっとも好きな、ネイビー無地スーツ・白無地シャツ・レジメンタルストライプのネクタイの組み合わせです。実はこれ、無地2つに柄1つではあるのですが、よく見ると、ネイビー無地のスーツには細かな織柄が入っているのですね。遠くから見ると無地ですが、近くで見るとほんのりと立体感が見て取れます。 シャツも同じで、無地なのですが、織り柄が入っているため、平面的に見えません。無地なのだけど、このようなちょっとした一工夫をすることで、一段上の着こなしができるようになります。最近はこのようなスーツやシャツの選択肢がとても増えてきていますので、ぜひ積極的にトライしてみてください。 続いてはネクタイだけを変えたスタイルです。こちらではネイビーベースの小紋柄のネクタイを合わせました。ネクタイの柄にも連想するイメージの違いがあります。レジメンタルストライプは若々しく活発な印象を与えますし、小紋柄には大人っぽい重厚感が漂います。 これはご自身が第三者にどのように見せたいのかで選ぶと良いでしょう。どちらが正解というのではなく、僕はどちらも持っておいて、その日の予定に合わせてチョイスするのが良いと考えています。 続いてシャツも変えました。白無地からストライプシャツに変えると、一気にアクティブでスタイリッシュな印象が漂います。主張もそれだけ強まりますので、スーツスタイルをおしゃれに見せたいのか、堅実に見せたいのかでバランスを考えると良いでしょう。 ちなみにシャツとネクタイ、どちらも柄を使う場合は、できれば柄の種類を変えた方がいいでしょう。ストライプのシャツに、レジメンタルストライプのネクタイだと、ちょっとくどい着こなしになるからです。上の写真では、ストライプと小紋柄の組み合わせにしました。柄が違うと、そこまでうるさいVゾーンにはなりません。 ネクタイを無地しました。本来であればストライプのシャツには無地のネクタイが間違いなく似合います。ネイビーやブラウンの無地ネクタイを揃えておくと、ストライプシャツとの相性が抜群です。

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